本学構成員各位

2004年 9月 21日
情報基盤センター長

インターネット上のファイル交換やファイル共有による違法行為の防止について

近年,インターネット上における映画の著作権侵害事案が数多く発生している中で,学生のみなさんに著作権に関する一層の理解と著作権保護の重要性を再認識してもらえるよう協力して欲しい旨,日本国際映画著作権協会(以下「協会」という。)から依頼がありました。

最近では,「Winny(ウィニー)」「WinMX」等のP2Pファイル交換ソフトやファイル共有ソフトを利用し,数多くの海賊版映画の違法ファイルがインターネット上を行き来している中で,協会としても警察機関と連携し取り締まりを強化しているとのことですが,まだまだ違法行為減少の域にまでは,至っていないようです。

また,誠に残念なことですが,学校施設や教育機関所有のコンピュータにおいても,インターネット上における著作権侵害が発生しているという事実が,協会の調査で明らかになっています。

著作権法上,他人の著作物を無断で複製することや,無断で公衆に送信すること(インターネットを通じてデータを多くの人に送ることなど)は,著作権侵害(複製権侵害,公衆送信権侵害)に該当するものとして禁止されています。公衆に送信することに関連しては,自ら公衆に送信するのではなく受信者側のリクエストに応じて送信される場合や受信者側に送信されていなくてもインターネット上のサーバーにデータをアップロードして送信可能な状態になっているにすぎない場合も,他人の著作物が対象となっている限り,著作権(自動公衆送信権,送信可能化権)を侵害することになります。

従って,他人とのファイル交換を目的として,他人が著作権を有する映画,コンピュータソフトウェア又は音楽等を無断でパソコンに取り込む行為,さらには,上記ファイル交換ソフトやファイル共有ソフト等を利用して,複製された映像ファイル等をサーバーにアップロードする行為や受信者側の選択により当該ファイルが送信される行為は,いずれも著作権の侵害行為に当たることとなります。

P2Pファイル共有ソフト「Winny」は,当該ソフトを使用して映画の著作物を送信した違法行為者のコンピュータだけではなく,「Winny」ネットワークが自動的に形成されるために,「Winny」をインストールして起動している他のコンピュータにも著作権の侵害行為によって送信されたデータが自動的に蓄積され,著作権侵害行為に荷担してしまう結果になる場合があります。

ブロードバンド環境が整っているコンピュータ同士が音楽や動画を交換したり共有し合うことは決して難しいことではありません。多少の知識があれば誰でも簡単に行うことが可能です。しかしながら,他人が著作権を有する著作物を無断で使用する場合は,たとえ非営利目的で対価として料金を得ることなく行われたとしても,著作権を侵害することに変わりはありません。

そして,このような著作権侵害行為は,差止請求権や損害賠償請求等の民事責任の対象となるばかりか,違反者の個人には3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑(著作権法第119条)が科せられる等の刑事責任を問われる場合があります。

以上のことから,本学のネットワークを介して著作権を侵害する行為があった場合には,大学としても著作権法の罰則を考慮し対応することとなりますので,学生の皆さんもファイル交換ソフトやファイル共有ソフトを利用した著作権侵害となる行為を行うことがないよう,著作権法の趣旨を理解し,他人の著作権を侵害しないよう,節度を持ってコンピュータを利用してください。